コロナ後遺症脱毛とは

コロナウイルス感染後の後遺症として脱毛症状のご相談が増えています

新型コロナウイルスに感染し、回復した後に来る後遺症として、全身倦怠感、息苦しさ、関節痛、味覚障害等が報告されており、それに加えて、若い方から高齢の方まで男女問わず、髪の毛が抜ける脱毛の症状を訴える患者様が急増しています。

コロナの後の脱毛症は後遺症の中でもかなりの方に表れる症状の一つであると言われており、当院でも2020年夏頃以降、コロナ後遺症脱毛のご相談が増えています。
原因は未だに解明されていませんが、当院で治療された患者様の多くは回復されております。

 

コロナ後遺症脱毛が引き起こる原因とは

新型コロナウイルス感染症は男性型脱毛症、休止期脱毛症、円形脱毛症と関連することが示されていますが、これまで包括的なデータ分析は行われていませんでした。
米国の研究グループが、新型コロナ患者の脱毛症について書かれた41の原著論文で1,826例を検討しています(平均年齢54.5歳、男性54.3%)

新型コロナウイルス感染症と脱毛症におけるメタ解析の主な結果は以下のとおりです。
(参考文献:JAAD International誌オンライン版2022年2月22日号)

新型コロナウイルス感染症にみられる脱毛症では、3つのタイプに区別して考えます。
上から順に、最も一般的にみられた脱毛症のタイプとなります。

  1. 男性型脱毛症(AA):全体の30.7%、男性では86.4%
  2. 休止期脱毛症(TE):19.8%、男性では19.3%
  3. 円形脱毛症(AA):7.8%、男性では40.0%
  • 新型コロナ患者に男性型脱毛症(AGA)がみられた場合は、男性型脱毛症既往であった(100%)
    即ち、全員もともとAGAの人だった。
  • 新型コロナ患者に休止期脱毛症(TE)がみられた場合は、概して休止期脱毛症は非既往であった(93.6%)即ち、ほとんどが初めての経験で、新型コロナによって引き起こされたものだった。
  • 新型コロナ患者に円形脱毛症(AA)がみられた場合、ほとんどが円形脱毛症既往(95.1%)即ち、ほとんどが円形脱毛症になったことがある人だった。

上記の事から、この論文から得られる知見として、今まで脱毛症になったことのない人が、新型コロナ感染後に脱毛症で悩むケースは、まず休止期脱毛症(TE)を考えるべきと言えます。

休止期脱毛症は、身体的・精神的苦痛の数カ月後に、みられる一過性のものです。
休止期脱毛は、発熱のある感染症・大きな外傷・出血・急速なダイエットなどがきっかけで起こることが知られています。

女性の場合、妊娠中は成長期毛の割合が多くなり、産後には休止期毛の割合が多くなることで、毛髪の状態が疎かになることが知られています。

ただ、今は軽度だからと放置すると、いずれ重症化し治療が困難になる可能性も十分に考えられますので、早めの対策をおこなうことが大切です。

休止期脱毛を理解するには、毛周期を知っておく必要があります。
毛髪は、次のサイクルを繰り返しています。

【成長期】5~6年:毛髪が伸び続ける期間
【退行期】2~3週間:毛髪が寿命となり、毛根が萎縮していく期間
【休止期】3~4ヶ月:毛髪が抜ける状態の期間

成長期が終わると毛根が萎縮して休止期に入ります。それぞれの毛髪でサイクルが異なるため、通常一斉に抜けることはありません。一般的には、今現在の毛髪の約85%が成長期で、10数%が休止期にあるのが、正常な状態と言えます。しかしながら、新型コロナ感染後の休止期脱毛では、成長期が急に止まり、一斉に休止期に入ってしまうのではないかと考えられています。新型コロナ感染の2カ月後から始まり、およそ100日後まで続くことが多く、およそ半年ほどで徐々に毛髪が回復してくるケースが多いようです。

新型コロナ感染後の脱毛症のほとんどは、休止期脱毛と考えられます。休止期脱毛は「一過性で徐々に回復」します。新型コロナ後遺症全般に言えることですが、回復には時間が必要です。

 

コロナ後遺症による円形脱毛症

当院に来られるコロナ後遺症脱毛の患者様の多くは、全体的な髪の抜け毛が気になる方がほとんどです。しかし、中にはコロナウイルスに感染してから初めて円形脱毛症ができたとご相談にこられる患者様もいらっしゃいます。

新型コロナ患者に円形脱毛症(AA)がみられた場合、ほとんど(95.1%)が円形脱毛症の既往がある。と論文にあることから、円形脱毛症を引き起こすと断言はできませんが、円形脱毛症自体が自己免疫疾患である可能性が高い為、その関係で脱毛が起こる可能性はゼロではないと考えられます。
また、円形脱毛症はストレスも大きく関係していると言われており、コロナウイルスに感染したことで身体的にも精神的にもストレスがかかり、引き起こされるのではないかとも考えられます。
円形脱毛症の治療期間ですが、症状によって異なります。
軽度であれば、自然治癒する可能性もありますし、治療も数カ月継続すれば治ることがほとんどですが、すでに重症化している場合は治療に数年かかる場合もあります。
実際当院でも、円形脱毛症の治療開始から2~3年ほど経過した患者様がいらっしゃいますし、AGA治療のように発毛するまでの目安をお伝えするのが難しいのが現状です。

 

コロナ後遺症脱毛の治療

多くは自然に毛周期のサイクルが戻ってくると、成長期毛が増加し、毛髪も回復してきます。

とはいえ、突然抜け毛が増えると不安になるのは当然ですよね。当院にご相談に来院される患者様の中には、新型コロナ感染後、半年以上たっても脱毛症状が治まらない方もいらっしゃいます。

当院では様々な症例と実績がありますので、コロナ後遺症脱毛でお悩みの方は、お気軽に沖縄頭髪クリニック迄ご相談下さい。

  

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